文哉はあたしに話しかけたかと思うとすぐに夏樹先輩に向き直った。 「夏樹さん、勘違いしてんだよ」 「言い訳とか、いいから」 ふっと自嘲気味に先輩は笑うと、切れた唇の端を舐めた。 「文哉、お前が明日美と寝たことくらいわかってんだよ」 ・・・え? あたしは一瞬呼吸するのすら忘れていた。 それくらい衝撃的な事実だった。 「何度も文哉の家にいく明日美を見た。俺がどんな気持ちでいたか、わかるか?どうせ、ヤッてたんだろ?んで・・・文哉のこと好きになったんだろ?」 俯く先輩の表情はわからなかった。