その日の帰り、私は西の空を眺めながらコンビニで買ったアイスを食べる。しゃり、という音がして、口の中にひんやりと熱とはかけ離れたものが伝わった。だけど頭はもう溶けそうだ。広瀬君のことを考えすぎて、もう。ついには目頭まで熱くなってきた。その時にはもう遅くて、目から雫がぼろぼろという言葉じゃ伝えきれないくらいに零れ落ちてくる。「……っく」思わず声を上げそうになった。必死に堪えて制服の袖で涙を拭こうとした……あ、今気がついた。今日から夏服だったんだ。
間違えた恥ずかしさに余計涙が溢れてくる。ああ、人通りが少ない道でよかったな。もうすぐ家に着くから、誰にも会わないで家に帰れるかもしれない。なんて考えていた矢先、聞き覚えがある声に思わず顔をあげてしまった。
「うわ、ひっでー顔」

