「いや、だって、まだそいつとその好きな奴は付き合ってねーじゃん」
何言っちゃってんだよ、と亮は着ていた制服のブレザーを脱ぎながら言う。あ、亮の通っている高校はまだ冬服なのか。
「で、でもそんなのもう可能性0じゃん」
「何言ってんだよお前ーお前らしくねぇ」
「だって本当の話でしょ?!」
「まあいいや、そうやって思っとけ。もしそいつとそいつの好きな奴がくっついたら俺がお前のこと貰ってやるよ」
「はあ?何言ってんの頭大丈夫?」
「いやこれ本気だから。つか何お前」
「本気なわけがない。お前こそ何!」
べっつにー、と、亮は頬を膨らませた。だって、笑っている時点でもう嘘だってバレバレだよ。何年の付き合いだと思ってるの。

