「大丈夫!?姫!怪我してない!!?」


あのときと同じ、優しい声


あのときと同じ、私を心配した表情


なんで来てくれたの?

私のこと、もう嫌いになったんじゃないの?


そんな疑問は、王子の笑顔を見たら吹っ飛んだ


「間に合って、よかった...」


「ぁ、ぉ、じ..王子ぃ..っ!」


涙がぼろぼろと休みなく流れ続ける


その粒の大きさに、自分でもびっくりした


「...ねぇ、前言ったよね?」


王子が振り返り、女の子たちを見据える


「ひっ!」


息をのむ音が聞こえた


私の方向からでは王子の顔は見えないが、声がいつもより低いことから、怒っているということが分かった