最初はこの前遭った、上位クラスの魔物「サラ」に命令されたのかとも思った。

しかしあの時は彼女に『わざと見逃された』のである。

どうやら私たちは彼女にとって、必要なモノらしいのだ。といっても正確には『アレックスだけが』であるが。

そして恐らくであるが彼女には、まだ私とエドのことがバレてはいないと思う。でなければ能力のあるアレックスにまで、危害を加えてくるはずがないからだ。

「最後の三つ目。こいつはあたしから、あんたたちへの依頼だ」

「依頼?」

「そうだ。あんたたちにやってもらいたいことがある」

「僕たちにですか〜?
ルティナさんに頼まれるような〜難しいことは出来ないと〜思いますけど〜」

「なに、実に簡単なことだよ」

首を傾げたエドに向かってニヤリと笑いかけた彼女は、事も無げに言葉を続けた。

「モンスター・ミストを破壊してほしい」