その言葉を合図に、二人は同時に別れた。

ボブのほうはアレックスへ。そしてレグは私たちのほうだった。

「君たち!」

アレックスが叫びながら私たちへ駆けてこようとしたのだが、当然それをボブに阻まれた。

「神風護壁(ヴィン・マオ・デュウ)!
雷風烈破(フード・ヴァン・デスト)!」

私は風属性の防御術と攻撃術を同時に繰り出した。

しかし攻撃術のほうはレグへ届く前に、自然消滅してしまった。

――ッキィィィン!

音を立て、短剣の刃が私のシールドに当たる。

「グ……ッ!」

瞬間、思わず呻いていた。それでも腹の底から力を振り絞り、何とか堪える。

やはり攻撃力は弱く、使い物にならなくなっていた。が、防御のほうはいつも通りのようだ。

背後で流れていた唄が止まった。どうやらエドの唄(術)のほうも、完成したようである。

身体全体に熱が帯びてくるのが分かる。エネルギーが外部から流れ込んで来ているのだ。

私はそれを体内にある精神エネルギーと融合させ、放出する。シールドがそれに反応するかのように強化されていく。