ルティナはそんな私を見ると、肩を落として嘆息した。そしておもむろに視線を逸らす。
「あの時のことを唯一知っているあんたなら、何か気付くかとも思ったのだが……
これでまた振り出しに戻ったな」
ルティナは背後から身体を離すと、窓のほうへ移動した。
窓には風が当たり、小刻みに音を鳴らしている。
外は厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうだ。
彼女は陽差しの全く差し込まない、薄暗い窓ガラスへ背を押し付けるようにして、再び腕を組んでこちらを向いた。
「だが一つ考えられることは、あたしたちがヤツの逃亡に利用されたということだけだ」
「どういうこと?」
「あたしたちの精神エネルギーを『瞬間移動術』に利用したということさ。
あんたはあの時、腕の痛みを感じたと言っていたな。
同時に、全身から力が抜けていくような感覚もしたと言っていた」
「そう。この前サラに、紋様を付けられた時の感覚に似ていたわ」
「恐らくヤツはこの刻印を介して、あたしたちのエネルギーを使用したのだろう」
「あの時のことを唯一知っているあんたなら、何か気付くかとも思ったのだが……
これでまた振り出しに戻ったな」
ルティナは背後から身体を離すと、窓のほうへ移動した。
窓には風が当たり、小刻みに音を鳴らしている。
外は厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうだ。
彼女は陽差しの全く差し込まない、薄暗い窓ガラスへ背を押し付けるようにして、再び腕を組んでこちらを向いた。
「だが一つ考えられることは、あたしたちがヤツの逃亡に利用されたということだけだ」
「どういうこと?」
「あたしたちの精神エネルギーを『瞬間移動術』に利用したということさ。
あんたはあの時、腕の痛みを感じたと言っていたな。
同時に、全身から力が抜けていくような感覚もしたと言っていた」
「そう。この前サラに、紋様を付けられた時の感覚に似ていたわ」
「恐らくヤツはこの刻印を介して、あたしたちのエネルギーを使用したのだろう」



