「あの二人のことは別に、気にしなくていいから」

「……ああ、それもそうだな」

半眼の冷めた視線をそこへ向けながら、ルティナは抑揚のない返事をする。

どうやら彼女にも二人のことが、段々と分かってきたようだ。

「それにしても意外だったわ。
まさかルティナまでこの刻印(マーキング)を、サラに付けられていただなんて」

彼女は私たちに会う前、サラと遭遇したのだという。

そこでゼリューを殺すよう迫ってきたらしいのだが。

「あれはあたしの落ち度だ。
……くそっ、ヤツらがグルだったとはな」

彼女は左拳を右手の平に叩き付けると、心底忌々しそうに顔を歪ませた。

「ねぇ、やっぱりゼリューが消えたこととこの刻印、何か関係があると思う?」

「無論だ。その証拠に、この針が動いている」