ゼロクエスト ~第2部 異なる者

吹き荒れる黒い風が私の身体をすくい上げるかのように、いとも容易く三度とも、外へ押し流してしまうのだ。

最初に何故ゼリューが、周囲の瘴気を一時的に減少させようとしたのか。

ここでようやく、その理由を理解できたような気がする。

恐らくそれは、渦巻いている黒風が術だけではなく、外部からの侵入者をも排除するためだろう。

人間である私には当然のことながら、瘴気エネルギーを体内へ蓄積することができない。

つまり『養分』を持っていない私は『種』からしてみれば、『不要異物』というわけだ。

「でも何か……何か方法はないかしら」

私は持っている短剣を見詰め、焦りながら必死に考えを巡らせていた。

途端、視界が揺れる。

何かが全身へのし掛かかってくるような、重い感覚。

私の中に外部から、何らかの圧力が流れ込んでくるようだ。

「まさか」

気付いた私は、自分の手の平を改めて確認してみた。

先程まで透明に光っていたものの輝きが鈍く、薄くなっているように感じられる。