魔物は、倒れて動かないルティナの頭上付近に佇んでいた。その鋭爪の届きそうな範囲内には、私も居る。
敵がこちらを振り向けば、完全に目が合ってしまうだろう。
ここはやはり今からでも「死んだふり」をするべきなのか。
しかし魔物のほうはこちらの心配をよそに、向こう側へと頭を動かしていた。
これほど近い場所に居るというのに、こちらへは一向に見向きもしない。
そういえば先程から、何処か様子も変だ。
低い唸り声を上げてヨダレを垂れ流し、遠くを見ているかのような、完全にイッた目をしている。状態が普通ではない。
それに歩いている足取りも不安定だ。
これではまるで――。
魔物が向かっていた先には、瘴霊の種があった。
そうだ。そこへ向かっている。
敵は何の躊躇いもせずに、そのまま黒い渦へと消えていった。
程なくすると、大きな爆発音が聞こえてくる。
魔物の入った場所からは強風が排出され、複数の何かも外へ投げ出されていた。
それは赤い液体だった。
中に紛れていたのは、ミミズの千切れたようなもの。或いは白い固形物。
それらが瀑布の如く、地面へ叩き付けるかのように投げられていた。
同時に放たれる臭気のせいで、私の胃の内容物も逆流しそうになってきた。
だが大量の唾液を一度に飲み込んで、何とか堪える。
敵がこちらを振り向けば、完全に目が合ってしまうだろう。
ここはやはり今からでも「死んだふり」をするべきなのか。
しかし魔物のほうはこちらの心配をよそに、向こう側へと頭を動かしていた。
これほど近い場所に居るというのに、こちらへは一向に見向きもしない。
そういえば先程から、何処か様子も変だ。
低い唸り声を上げてヨダレを垂れ流し、遠くを見ているかのような、完全にイッた目をしている。状態が普通ではない。
それに歩いている足取りも不安定だ。
これではまるで――。
魔物が向かっていた先には、瘴霊の種があった。
そうだ。そこへ向かっている。
敵は何の躊躇いもせずに、そのまま黒い渦へと消えていった。
程なくすると、大きな爆発音が聞こえてくる。
魔物の入った場所からは強風が排出され、複数の何かも外へ投げ出されていた。
それは赤い液体だった。
中に紛れていたのは、ミミズの千切れたようなもの。或いは白い固形物。
それらが瀑布の如く、地面へ叩き付けるかのように投げられていた。
同時に放たれる臭気のせいで、私の胃の内容物も逆流しそうになってきた。
だが大量の唾液を一度に飲み込んで、何とか堪える。



