「あんたは今、怪我を負っている。その状態で敵とまともに渡り合えるとは思えない。
確かにあたしの目的やあんたの役目とやらも大事だろうが、それは目の前の敵を倒してからでも遅くはないはずだ。
だから今は『仲間』である、このあたしを信頼してくれ」

「そうですよ〜アレックスさん〜。ここは『仲間』であるルティナさんを〜頼るべきです〜。
それに〜ディーンさんのことは信頼して〜ルティナさんのことは信頼しないつもりですか〜?
二人とも〜同じパーティ(仲間)じゃありませんか〜」

アレックスは突然何かに気付いたかのように、目を見開いてエドを凝視した。

そして直ぐに苦悶の表情に戻ると。

「むむむ……正(まさ)しく……。
『仲間(パーティ)』とは即ち、信頼関係。
それを失うということは、最早パーティは、その機能を果たせなくなるという意味でもある」

アレックスは何やら、難しい顔付きのままで呟き始めた。

そして程なくして―――。

「うむっ!
俺はようやく目が覚めたぞ!」

その碧(あお)い瞳に目映い光を宿しながら、彼はあたしの手を力強く掴んできた。