「あ、ルティナさんです〜」

「何? ルティナ??」

声の主たちを見れば、エドとアレックスがそこに居た。

エドは木に凭れるようにして竪琴を弾き、アレックスはその前でこちらに背を向けて立っていた。

「おお、君ともようやく出会えたな」

「おい、あんたたち、こんな場所で何をしている」

あたしは訝しんで、彼らに近づいていった。

「僕はいつの間にか〜エリスさんとはぐれてしまい〜1時間以上も白い場所を〜彷徨っていたのですが〜ようやくそこから〜抜け出せたのです〜。
本当はそのまま〜エリスさんを探したかったのですが〜方向音痴のエリスさんのことなので〜行き違いにでもなったら大変ですし〜そのようなこともあって〜もしかしたら近くに〜いるかもしれないと思い〜音楽と灯りで導くことを〜思いついたのです〜。そうしたら〜」

「俺も導かれて、ここへやってきたという訳なのだ。やはり君も、そうなのだろう?」

「あれ、ルティナさん〜どうされました〜?」

あたしはその場に四肢をついていた。

突然、極度な疲労感に襲われてしまったのだ。

「それにしても〜まさかアレックスさんとルティナさんが〜近くにいるなんて〜知りませんでした〜」

「うむ。あとはエリスだけだが、しかし……」

「そうですね〜。
先程のアレックスさんの話だと〜エリスさんはどうやら無事なようなので〜一先ず安心をしているのですが〜しかしエリスさんの方向音痴は〜筋金入りですから〜。
もしかしたら〜また隣村に〜行ってしまわれているかも〜しれません〜」

「隣村?」

あたしは地面から顔を上げて、エドを見上げた。