あたしは呆れつつも、彼に提案した。

「だったら二人と合流してから、あたしの後を追ってくればいいだろう」

「おおっ! 成る程、その手があったかっ!!!
確かにそれならば、両方の実現が可能だ。
うむ、流石はルティナだ。実に合理的な考え方だ!」

アレックスは急に何かに目覚めたかのように、顔を輝かせていた。

しかしこの男と長時間話していると、何故か疲れる……。



―――森のほうでは、再び爆発音が聞こえてきた。

今、他の術士に見つかるのはまずい。こんな場所で、ぐずぐずしている時間はない。

あたしは急いで、穴の空いた結界へ入ろうとしたのだが。

「おおっ! 君たち、ようやく来てくれたか」

アレックスの嬉しそうな声がしたのと同時に、バタバタと複数の激しい足音も聞こえてきた。

(! もう来ちまったのか)

正直、あたしはあの二人がこれほど早く、この場所まで辿り着けるとは思っていなかった。

村からここまではそう遠くない距離だが、乱戦の中をかいくぐらなければならない。

だからどうしても、迂回しなければならなかったのだ。

振り向けば少し後方の暗がりで、複数の光がこちらへ近付いてくるところだった。

前方には激しく動いている光と、後方には複数の光球が見えた。

それに照らし出されている顔を見てみれば、何故か必死な形相のエドを先頭に、続いてエリスもこちらへ駆けてくる。

だがその背後には―――。