「さっき何だか酷くうなされていたようだったけど、もう平気なの?」

「さっき?
……ああ、それなら大丈夫だ。心配はいらない」

「そう。なら良かった」

エリスは心配そうな表情から一転すると、いつもの少女らしい柔らかな笑顔に戻っていった。

彼女は世話好きなのか、ただお人好しなだけなのか。どちらなのだろう。

いや、余計な詮索は止めておこう。

あたしはこれから彼女たちを利用し、ヤツの元へと乗り込まなければならない。

ヤツにはいろいろと訊きたいことがあったし、最終的には戦うことになるはずだ。

上位クラスとは真正面から殺り合ったことはなかったが、勝てる見込みは皆無に等しかった。

しかしいつかは対峙しなければならない相手でもある。

だからなのだろう。

先程あんな夢を見てしまったのは。