「僕が殺気に気付いて空を見上げた時〜先程の魔物がエリスさんに向かって〜物凄いスピードで落下してくるのが〜見えたのです〜。
その時に林の向こうから〜槍が飛んで来て〜一瞬で仕留めたのですよ〜。
しかし攻撃が〜どうやら浅かったようです〜。
致命傷を負わせずに〜魔物のほうはそのまま逃げていったらしく〜……」

私はエドの話を前半、半分くらいしか聞いてはいなかった。しかし大体の状況は理解できている。

つまり飛行型の魔物がこちらに向かって、一直線に降下してきたというのだ。

辺りの木はもうすっかり葉も落ち、上空を遮るものなど何もなくなっていた。

飛行型がこちらに気付いても、おかしくはない状況である。

それをたまたま近くにいた術士が見つけ、武器を投げつけてきたのだ。

その種類からして、恐らく「スピアラー(槍術士)」だとは思う。

が、私を助けたというよりは寧ろ、降りてくる魔物に偶然気付いたために、攻撃を仕掛けてきただけのような気もする。

でなければ通り道にいた私をわざわざ、踏み付けて行ったりはしないだろう。

「それよりエド、よく殺気のことに気が付いたわね。私には何も感じられなかったわよ」

私は彼の説明を途中で強引に遮ると、話題を変えて訊ねた。