がたっ。


(ひえっ!?)

私は思わず、香に抱き着く。

えっ?えっ?
何の音…!?


すると、香がバッと
顔を上げて物音の方に
視線を向けた。


「…光?どうした、寝れないか?」

ひ、かる…?


「…寝れるよ…」


透き通るような、間違えば
聞き逃してしまいそうな声。

よく香に似た雰囲気だ。

けれどひとつ、彼女は
暗く、低かった。