夏美の腕が、香の手によって奪われる。 夏美はもう、俺を見てはいなかった。 涙を流すほど愛してくれている―――愛しい恋人を、見つめていた。 でも… 諦めろっていうのか…? さっきまで幸せだった時間を、忘れろっていうのか? 『俺の気持ち』は、どうなるんだよ? 答えろ… 答えろ俺… どうしたらいい? どうすることが、俺の望みだ?