俺は夏美母にお礼をして、重い足取りで夜の街に出た。 ひたすらに続くのは、クリスマスを終えての新年歓迎のイルミネーション。 微かな記憶を辿って、思う。 『かおり』 優しい性格の、社交的なお父さん。 『今年は、何が欲しい?』 付け加えるように問うのは、少し気の強いお母さん。 俺はそう言われて、こう返すのだ。 「ことしは、光をしあわせにしたい!」