そんな花園のなかに居る彼女は、 俺の『大好き』を上回った。 一輪の花に手を伸ばし、愛でるように見つめる。 その仕草が光に重なる。 似ている。雰囲気、後ろ姿、立ち姿…。 「高槁夏美(たかしまなつみ)だ。今後頼むぞ」 先生の言葉で、やっと我に返った。 彼女は先生と目を合わせ、先生が指を指したところで俺に振り返った。 何の特徴もないはずの彼女の顔は、何だか可愛く感じた。 白い肌に、切れ長の瞳。 眉は気弱そうに垂れ下がっているが、性格がよく出ているようだった。