「はあ?」



カンカン、と靴音が響く。



次第に、焦っていた胸の奥が落ち着いてきた。




「意味、わかんねえんだけど。どういうことだよ」



「俺は夏美を幸せになんて出来ない。だから…」





「んなこと知らねえよ」




…玲?




「俺は香よりもっと、夏美を幸せに出来ねえ。大体なあ、夏美はお前が誰よりも好きなんだよ!!」



「―――玲…」