息が切れる。 吐き気だってしてくる。 だけど、それでも、 「香!ダメだ、公園に居たらしいけどもう居ない!」 「じゃあ次だ!誰か見てるはずだ!」 夏美に会わなければ、もう一生会えない気がするんだ。 夏美 夏美 どこに居る? 「廃ビル…ビルを探す!」 玲は汗をかきながら、力強く頷いた。 埃っぽいビルの階段を駆け上がっていると、ふと口から言葉が出てきた。 「玲。…夏美を、頼む」