「ちあきー、今日日直変わってくんない?」


「え、私今日は・・・」


「何?なんか用事?」


「・・・ううん。何でもない。」


「そ?じゃーよろしく♪」


そう言って足早に去って行く背中を千秋は穴が空くほど見つめていた。


「・・・だって奈留ちゃんには絶対この用事は言えない・・・。」


そう呟いて黒板消しに手を伸ばした。


崎原千秋16歳。


趣味、手芸・読書。
特技、料理。


・・・性格、根暗で人見知り。



「はあー・・・。」


みんなが次々に下校する中1人、黙々と日直の仕事に励んでいた。


「ちあきー。まーたなるに仕事頼まれたの???」


「うん・・・。たぶんバイトなんじゃないかな・・・。」

「違うでしょ(笑)
あれはどー見ても男でしょ(笑)」


「え・・・男・・・?」


「うん。彼氏の誕生日なんだって。」


「・・・そう、なんだ。
・・・じゃあ仕方ないね。」

「うわやっさしー!!
私だったらやってらんないけどな(笑)」


「あはは、そうだね。
私馬鹿なことしてるかもー(笑)」


「馬鹿とか自分で言っちゃってるし(笑)じゃー頑張って♪私も帰るわ。」


「うん。じゃーね。」


・・・手伝って・・・はくれないか。