「た、たた田川君…ちかちか近いから…」

たぶん、恥ずかしすぎるんだろうと思う。聞こえるか聞こえないかの声だった。

「ん?」

わざと耳許で話て軽く唇を押し当てた。

「ぁっ!」

びっくりしたのか…


少し声が漏れた…

あまりにも色っぽい声だったから、つい…もっと聞きたくて…

耳を甘噛みした。

「ん…ゃ」

「俺の事…名前で呼んで下さい。」

一ノ瀬さんの髪の毛を手で弄りながら、答えを待っていると

部屋の電気が突然消えた。【資料室】はたくさんの棚が並んでいるから、電気をつけないと部屋の中はだいぶ暗くなる。