「ヤクザの若頭だろ?お前に決定することはできない。」






「陽くん…。」


「大丈夫だ。親父達と話してくるから待ってろ。」


「さぁ、行きましょう!」


女の人が陽くんに腕を絡ませた。




ズキッ。



胸が痛んだ。












2時間後、陽くんが一人で戻ってきた。



「陽くん…。」


私は不安だった。


「セイナ」


しかし、陽くんの次の一言で私の不安は絶望に変わった。


















「別れてくれないか。」












頭の中が真っ白になった。



そして、その言葉を信じたくなかった。




「…嘘でしょ?」


私は陽くんに聞いた。


「ごめん。」







その一言を聞いて、私は言った。



「やっぱり…一人なんだよ。私は。」



陽くんを真っ直ぐ見て言った。




「私から離れていくなら、優しくしないでほしかった。


悲しくなるじゃん…。」



そう言った私の頬を一滴の涙がつたった。