「付き合ってはないよ。でも、いずれは俺の彼女になるかな?」




「えっ?」


「へぇー、そうなんだ。じゃあ、狙えないな。」




そう言って男子達は残念そうな顔をしてそれぞれの机に戻って行った。




しかし私にはさっきの雄也くんの言葉が頭から離れなかった。






「早瀬さん?」

私がボーっとしていると、雄也くんが話しかけてきた。




「えっ…。いえ、あの雄也くん?」


さっきの雄也くんの言葉を訂正したくなった。



「私、付き合ってる人がいるんですけど…。」



「えっ…?」



私の言った意味が分からなかったのか雄也くんが聞き返してきた。



「私には大切な人がいるんです。」



だんだんと雄也くんの目が悲しみに満ちてきた。




「早瀬さん、今日これから屋上に行かない?」



そう言って私の手を引いて屋上へ向かった。



陽くん…。起きて。

助けて。雄也くんの目普通じゃないよ。




ガチャッ。


屋上の扉は簡単に開いてしまった。