「セイナ、ごめんな。いろいろ考えちゃってさ。…セイナが夜飯作ってくれよ。」




陽くんが優しく言った。



私の顔がパッと明るくなった。


「何がいい?何でもいいよ!」


私がそう言うと、


「セイナは何で学校で笑わないんだよ。笑った方がセイナは可愛い。」


陽くんにそう言われると…



「…私、叔母さんに殴られてたから、人が怖くて。笑ったら叩かれるんじゃないかって思うの。」






「セイナは明日から明るくなれ。な?」



「うん、頑張る。」


また陽くんに背中を押してもらった。













「お帰りなさい。若。」


家に着くとまた恐い顔の人達が陽くんに頭を下げた。



なのに陽くんはその人達を無視した。


「ただいまって言わないの?」



私は疑問を口にした。


「する必要がないからな。」



「どうして?」



「もういいだろ。お前も少し休めよ。」


そう言って私を自分の部屋に招きいれた。



「こっちにこいよ。」


ベッドに体をなげだしながら陽くんが言った。



「……陽くん。私ってどこで寝るの?」





ベッドを見て思い出した私は陽くんに聞いた。