「おいっ!クソ兄貴、セイナに触んな!」
陽くんが少し慌てて私達を引き離した。
…兄貴って言った?
「…………お兄さん?!」
「お兄さんだって。可愛いなぁ。さぁ、セイナ、俺の部屋に行こう。」
「…?キャッ。」
陽くんのお兄さんは私を抱き上げた。
「イヤッ。下ろしてください。私、重いですから。」
「大丈夫だよ。凄く軽い。痩せてるのに…胸あるんだね。抱き心地最高。」
「…そんなこと言わないでください。……陽くん…。」
私は陽くんに助けを求めた。陽くんを見ると、少し震えていた。
「…陽く、ん?」
私は心配になって声をかけた。
「…………クソ兄貴。セイナを離せ。そいつは俺の女だ!」
陽くんが言った
俺の女だ!
と言う言葉がとても嬉しかった。
「お兄さん、下ろしてください。私、陽くんが一番好きなので。」
「陽に負けた。こんな可愛い子が女なんて…。」
「セイナ、おいで。」
私の言葉を聞いて、陽くんは微笑んだ。
そして私をお兄さんから奪いとって、自分の胸に抱き寄せた。

