「陽くんは悪くないよ。」
私は陽くんに少し微笑んで…
「雄也くんにメールしなきゃ。」
家に帰ってからメールする約束だったことを思い出してそう言うと…
「…セイナ。雄也って、本郷のことか?」
少し低い声で陽くんが聞いてきた。
「本郷?雄也くんのことか。そうだよ?たまに放課後とか遊ぶんだ。」
「…へぇー。仲いいんだ。」
「うん。私が寒い時とか、制服貸してくれたり。家のことで不安だった時があって、そしたら抱きしめてくれたの。」
「…。」
私が話し終わっても陽くんは何も言わなかった。
「陽くん…?どうしたの?」
「…いや。セイナは本郷が好きなのか?」
陽くんは私を真っ直ぐに見て言った。
「好きだよ?友達として。でも陽くんは恋人として大好き。」

