それからは冷たい口調で静かに話していた。
「セイナ大丈夫だよ。俺がいるだろ?」
電話をきった陽くんが私を抱きしめた。
何でだろう。陽くんの腕の中にいると、安心できる。
「…俺さぁ、ヤクザだけど絶対セイナを守るから。」
陽くんが私に囁いた。
「ありがとう、陽くん。…あのさ。」
「どうした?」
「…お腹空いた…」
私は今日1日いろんなことがありすぎて忘れていたけど、今お腹が減った。
「プッ。何が食べたい?」
陽くんが私に温かい言葉をかけてくれた。
「えっ、何でもいいの?」
私は目を輝かせた。
「何でそんなに子供みたいに目、輝かせてんだよ。」
また陽くんに笑われた。
「…叔母さんと住むようになってから、温かいご飯なんか食べたことないし。私の好きなものなんて14年ぶり。」

