「…っうん。」 少し涙声になりながら、頷いた。 「ゆっくりでいい。安心しろ。俺が傍にいる。」 陽くんにそう言われて、私は顔を上げて話し始めた。 男の人に襲われそうになったこと。 気がついたら、陽くんを探して大通りにいたこと。 全てをゆっくりと話した。 話し終えると陽くんは、もう一度強く私を抱きしめた。 「…ごめんな、セイナ。俺が無理にでもここに連れてきてたら…。」 陽くんは突然泣きだした。