「セイナ、どうした。顔が暗いぞ。」 自分の席に座ると、陽くんが話しかけてきた。 あの日以来、陽くんはずっと話しかけてくれる。 初めて私は、人前で涙を流した。 それから、陽くんは私の大切な人になった。 特別な感情かどうかは、分からない。 「何にもないよ。」 「…そうか。でも、何かあったら絶対に俺に言え。いつでも、お前の味方だからな。」 「ありがとう。」 私はそう言って小さく微笑んだ。