陽くんが一歩前に出た。 「…セイナを諦めてくれ。」 「……陽くん…。」 「頼む。セイナを諦めてくれ!セイナが好きなんだ。」 「フッ。それは出来ないな。」 「どうすれば…。」 「ヤクザだ。力だろ。」 透夜が笑った。 「……分かった。」 陽くんが不利なのは、見て分かる。 「卑怯よ!」 私は叫んだ。 「セイナ、ヤクザの世界に卑怯も何もない。」 そう言って透夜は銃を取り出した。 「さぁ、立て井端。」