「俺、カッコ悪いな。」
そんなことないよ。
「凄くかっこいいよ。」
私が言うと、陽くんは少し頬を紅くした。
「…。早く行くぞ!」
陽くんは私から離れて歩き出した。
「陽くん、待って!」
私は陽くんを追いかけた。
「セイナちゃん!泳ごう!」
「…うん。」
「セイナ?どうした。」
「私…泳げない。」
学校のプールでは泳げる。
でも、海は深さが変わる。
「…麻美は河瀬と泳いできたらどうだ?」
私の気持ちを察したのか陽くんが麻美さんに言ってくれた。
「じゃあ、後でナンパしょうね!」
麻美さんはナンパというセリフを残して、河瀬さんと泳ぎに行った。
「ナンパ…?絶対ダメだ!」
陽くんが大声を出した。
「ちょっ。陽くん…。ナンパなんてしないから。」
「…行くぞ、セイナ。」
陽くんは私の手をもって、海に歩き出した。
バシャッ。
久しぶりに入った海は冷たくて気持ちよかった。
でも…。
「どこまで行くの?」
聞いても陽くんは黙ったままだ。
そして…。
「陽くん…。んっ!足がつかない。」
凄く深いところまで来た。
「俺の足はついてる。」
「助けて…。ごめんなさい…。」
私が謝ると、陽くんは足を止めて私に向き直った。
「…っ!ごめん。俺、どうかしてた。」
そう言って私を抱きしめてくれた。

