しばらく行くと、このお祭りに似つかわしくないお店を見つけた。 そこは他の出店のようなオレンジ系統の構えではなく、黒や紫といった暗い印象のものだった。 近くに寄っても、つい見落としてしまいそうで、周りからは完全に浮いているのに、なぜか違和感の感じられない店。 なんの店なんだろう… このような下町に初めて来る僕にだって、その店が普通のそれとは異なることぐらいはすぐにわかった。 心地よい春風が、一瞬強くなり、僕はとっさにフードの端を抑えた。