色のある世界



「本当ですか!?」


穏やかな雰囲気に似つかわしくない大きな声が、ホール一体に響いた。


「もちろん、嫌なら行かなくてもいい。そっちの方が私達としても安心だ。だか、もしお前が行きたいなら、行ってきなさい」



「行きます!」


父上の返事に、数秒と置かずに答えを返した。


こんなチャンス、これから先何度あるかわからない。もう二度とないことだってあり得る。


このチャンスは絶対に逃さない。




僕は毎日食事で使っていたホールのシャンデリアがとても綺麗な輝きを放っていたことに、この時初めて気が付いた。