色のある世界


それに、父上と母上は、やたら僕を城の中に閉じ込めたがる。


そう感じるのは僕だけなのか。



舞踏会などで挨拶を交わす他国の王子や王女が遠方に赴いた話をすると、幼い僕は、よく母上にせがんだものだ。



『母上、僕はミドリの国に行きたいです』


『…レオン、そこはあなたには危険だわ。もっと大きくなってからに致しましょう』






返ってくる答えはいつも同じだったけど。