「お休みなさい。失礼します」
自由を望むことをやめたら、気持ちは以前より楽になった。与えられた仕事をこなすだけ。
17歳はいわゆる成人の年だから、周りの期待が高まるのもわかるけど、割り切ってしまえばいいとわかった。
「そうだ、レオン。明日が祝祭なのは知っているだろう」
「はい」
「それで、世界中で大規模なお祭りが行われる」
「はい、知っています」
明日の祝祭というのは、1500年前"褐色"が食い止められた日に、平穏に感謝をするというもので、毎年盛大なお祝いがなされる。
けど、幼い頃に一度、母上に手を引かれて行ったことがあるだけで、僕には無縁の話だった。

