明里さんの店の前で待っていると

暫くしてしんぱっちゃんが出てきた。

「駄目だ、身請けされたらしい」

「山南さんが…?」

「あぁ…」

「っ…」

アタシたちは重い足取りで屯所へと

帰っていった。



お願い山南さん…!

アタシの言葉が届いてるなら…

逃げて…逃げ切って…!










アタシの、否新選組全員の思いは

叶わなかった。

翌日帰ってきたのは暗い表情の

沖田さんとどこか諦めたような

笑顔で微笑む山南さん。

土方さんは表情ひとつ変えずに

翌朝、処分を執り行う。

とだけ言って去っていった。



京の夜はすごく冷える。

そんなことお構い無しにアタシは

縁側に一人腰をかけていた。

「美穂…」

「…平助」

振り返るとそこには平助が

立っていた。