"山南さんが消えた"。

翌日告げられた絶望的な一言。

アタシはただ、呆然とそこにいる

ことしか出来なかった。

「まだ、脱走したと決まった
訳じゃねぇ。……総司、お前が
探しに行け」

「承知」









沖田さんが山南さんを捜しに

行った後も、アタシはそこに

立ち尽くしていた。

ふと、脳裏を掠めたある人の笑顔。

「明里さん…!」

史実道理ならきっといない。

だけどじっとはしていられなくて

アタシは部屋を出た。

「うわっ!」

「っ!しんぱっちゃん」

部屋の目の前に立っていた

しんぱっちゃん。

「良かった、これから明里さん
の所に行こうと思うんだ。
ついてきてくれないか?」

「アタシも調度行こうとしてた。」

アタシとしんぱっちゃんは

島原へと足を進めた。