「いや、それはないよね…」

(と…にか…くはや………帰…)

プッツーツーツーツーツー………

「切れた…」

ケータイを見ると"圏外"。

「嘘でしょ…」

「本当に此処何処なのー」

カチャ…

突然首に突きつけられた冷たく

固いもの…………

そして…

「貴様、何者だ!」

背後からは殺気に満ちている声…

「さっき手にしていたものは
一体なんだ…?」

「ちょっと待って…」

「質問に答えろ…」

ッ!!

痛いんだけど!!!

これって刀だよね…絶対。

ちょっと待ってよ……

まず何この人…

服装は今の時代じゃ珍しい着物。

その上からは浅葱色の羽織を

羽織って、そして何よりも

アタシに突き付けられた刀ーーー

まるで時代劇に出てくるような…

「まぁいい…こいつを屯所へ連れていけ」

えっ?

は……?

「ちょっ…なんなのよ!」

「黙って着いてこい…」

アタシは訳が解らないまま

訳の解らない所へ連れて行かれた。