「だから……」
アタシは着物の懐から多めに金を
出して店主に渡した。
「これで足りますか……?」
「えっ?」
なんだか分からないって顔だ。
「アタシが払います。足りますか?」
「へっへぇ毎度……」
「これで損は出ませんよね?」
「ありがとうございます。
あ、釣りを……」
「入りません。」
笑顔でそれだけ言うと
踵を返して隊に戻る。
「すいません…遅れました」
「まったく君はずる賢いです」
沖田さんはアタシに隊服を渡して
ボソッと呟いた。
「フフッ土方さんには内緒ですよ?」
「分かってますよ。私情じゃ
口を挟めませんし」
そう。隊服を脱いだから
隊務ではない。
だからそれを利用して店主に
金を渡したんだ。
