愛し人〜aishibito〜

「怒ってるだろ」



『たまたま通りかかって見た事にちょっとムカついてるだけ…綺麗なナースの人とあんな風に笑って楽しそうにしちゃってさ。さすがモテモテドクター萩原雅也って感じ』



「何だよ。それ」






後ろ向き状態で
話していた久美子はここでやっと雅也の方を向いて強い口調で
今の気持ちをぶつけた。






『何度も言わせないでよ!とにかくムカつくの。あんなの見せられちゃ超腹立つ』



「はぁ?」



『たくっ行かなきゃ良かった。てゆーか何で私あの時、病院に行ったんだろ』



「おい、久美子」



『何よ』



「お前さヤキモチ妬いてんの?」



『妬いてないよ!!何言ってんの。そんなの有り得ないよ』



「俺がナースと仲良くするのが、気に入らないって?仕事の付き合いなんだから仕方ないだろ。たくっ分かってないな」



『………』