「兄貴には悪いと思うけど、今は俺の方がリードしてる」



「何がだよ」



「え」



「何?」



「何とも思わねーのかよ?」



「別に……俺、疲れてんだ。帰らせてくれないか」






雅也は歩いて去って行く。








その後で見ていた恭也は
ぼやいた後に
一気にテンションが上がった。






「兄貴…久美ちゃんの事何とも思ってないのか?そりゃそうだよなあの二人、十個も離れてるんだし散々邪魔されてきたけど俺の長年の望みが叶う時がきたってか?ついに久美ちゃんが―――」






恭也はその日、自宅に帰らず
友達と遊び歩いて
帰宅したのは朝方だった。