しばらくして、どこからともなくバイクのエンジン音が
ヴァァンッと聞こえてきて
こちらに近付いて来た。






『え』






バイクが目の前を
通り過ぎて行ったため
久美子の着ていた制服や髪の毛が風に吹かれる。



少し離れた所でバイクが停まると乗っていた制服姿の男子高校生がヘルメットを外して降りると
こっちへ向かってやって来た。






「久美ちゃーん」






現れたのは従兄弟の恭也だった。






『あっ恭くん』



「こんなとこで何してんの?」



『三者面談の帰りで、剣くんとバスケしてたの』



「どーも」






剣も久美子と恭也の側に
やって来て挨拶を交わす。