『………』



「久美ちゃん」



『………』



「大丈夫?」



『あ…………………剣くん!?』






今さっきまで雅也に
優しくされていたせいか普通じゃいられない状態の久美子に剣は
じっと見つめながら聞く。






「俺がわかる?」



『え、何言ってるの。分かるよ』



「だって記憶が混乱してるって聞いたから」



『あれね…そう、私どうしよう。明日テストなのに勉強した事、頭ん中から消えちゃったの。ヤバイよ赤点確実』



「何だ、良かった。テスト勉強の事か」



『良くない』



「だって記憶が混乱とかって言うから記憶喪失になったと思って、俺めっちゃ責任感じたんだぜ。雅也さんの大切な久美ちゃんを…」



『あはは…大袈裟だよ』



「でもマジ無事で良かった」



『ありがとう。心配してくれて…剣くん優しいね』



「いいって」



『勉強どうしよ…明日の数学がヤバイかも』



「俺も自信ないけど大丈夫…何とかなると思う」



『そうだといいね。ガンバロ』