初めてキスされた時と一緒で
二人の唇は中々離れないというか雅也が離してくれない。
久美子も離したくなかった。



大人なキスで
どうにかなりそうで
キスしながら立っているのも
段々平気じゃいられなくて
そんな久美子を倒れないように
雅也は強く抱き締める。



このまま時間が止まればいい。



男の人にこんなに
強く抱き締められたのは
初めてだ。



誰かが止めないと
二人の唇は離れない気がした。



そんな時、雅也の携帯電話のバイブが鳴り出してやっと離れた。






「―――――はい。あー分かりました。すぐ戻ります」






電話を切ると久美子は聞く。






『病院?』



「急患が来るから呼び出し」



『………私も戻らなきゃ』



「そろそろ久美子の母さんお風呂からあがる頃かな」



『うん』



「今度ちゃんと時間作るから俺の家に来い」



『え…あ、うん』



「久美子。じゃあな」






また久美子に軽くキスすると
雅也は運転席に乗り込んで
病院へと車を走らせて行った。