「山崎。」
「此処におります。」
土方が天井に向かって名を呼ぶと、黒い影が降りてきた。
「あいつについての情報が欲しい。あと、あいつの監視を頼む。」
「御意。」
山崎は、命を受けると、
音も立てずにその場から立ち去った。
「じゃあ、歳。俺ももう戻るよ。」
「分かった。俺はまだ仕事が残っているから。」
「すまないな。俺がもうちょっとしっかりしていれば…。」
「いいんだよ、近藤さんは局長らしくどっしり構えてりゃ。
めんどくせぇ事は俺がやる。」
そういって机へと向かってしまった土方を、近藤は悲しい顔で見つめていた。