黒と白


刹那が飛び起きたのは屯所内の自室だった。

「大丈夫か?」

そう言って刹那の顔を覗き込んだのは、

同じ部屋の住人、斎藤一だった。

「何で?」

「いや、寝ている時に魘されていて、

名前を呼んでもなかなか反応しなかったからな。」

その言葉を聞き、刹那は体を翻し、

斎藤と距離をあけた。

「大丈夫だ。俺は何もしてはいない。」

その言葉を聞いても刹那は

警戒を緩める事無く佇んでいた。

「お前―「おーい。二人とも居るかー?」

なにか言いかけた斎藤の声を遮ったのは、

行き成り部屋の障子を豪快に

開け放った左之の声だった。