(うっわ~最悪。) 珠洲を送り届けた刹那を待っていたのは、 すでに巡察を終えたらしい斎藤の姿だった。 「倉吹、巡察を途中で抜け出して、何処へ行っていた。」 「えっと、浪士に絡まれていた、 珠…娘を助けておりました。」 (あっぶねぇ!今、珠洲って言いかけた!) 「無茶をするな、何かあったらどうする。」 「大丈夫ですよ。俺、男ですから。」 「いや、違う。」 斎藤は、刹那の近くに来ると、 声を潜めて囁いた。 「お前…女、だろ?」