黒と白


そう叫んだ一人の隊士は、

刹那の前に来ると、刀を抜いた。

(別に其処まで言ってないんだけどなぁ。

こんな安っぽい挑発に乗るとはね。)

刹那は、刀を抜かずにそのまま立っていた。

「随分余裕じゃねえか。

なら、こっちからいってやるよ!!」

ガキィン!!

「やめておいたほうが良い。

お前では、こいつに敵わん。」

「さ・・・斎藤組長!!」

刹那に向かって放たれた攻撃を受けたのは、

刹那の刀ではなく、斎藤の刀の鞘だった。

「斎藤さん・・・。」

「仲間同士斬りあいなどするものではない。」

「すっ…すみません…。」

「もうそろった。いくぞ。」

「「はいっ」」

隊士は、ぞろぞろと門から出てっていった。

刹那は、斎藤のところへと歩み寄っていった。